こんにちわ。玉レエタスの水耕栽培に関する記事は「ビ」さんにその①、その②まで詳しく書いてもらいましたが、その後チップバーンと言う問題が発生し、私「リュー」が主担当で対策検討しましたのでリューが記載します。①&②と重なる部分もありますがご容赦下さい。
はじめに
昨年秋から冬にかけての季節外れにトンネル(通称ゴミールハウス)で玉レタス栽培に成功しました。そこで真冬でも室内ならひょっとして栽培できるのではないかと考えました。しかしネットを調べると水耕レタス栽培のほとんどがリーフで、玉レタスはほとんどの人は成功しておらず(玉にならない)、難しいと書いていました。
それでもいつも挑戦したくなる夫婦ですので「できないと言わずイッチョやってみよう」との乗りで挑戦です。

1.準備
まずgoodsの調達です。購入したのは植物育成用のLEDライトと栽培用の肥料
1-1.ライト
ライトとしては植物の育成に必要な光(=赤色と青色)の量が強いもの、電気代の安いものと言う基準で選択しました。光量は通常ルックスとかルーメンと言う単位で探しますが、植物育成用にはPPFDと言う単位で探す必要があります。この単位は良く分かりませんが、植物育成に必要な光をどの程度出しているかと言う事で数字が大きい方が強い光が得られます。例えば夏の太陽光下では2000程度あり、曇りの日は50~100程度だそうです。400以上あれば通常の植物栽培には問題なく、1000以上あればなお良しと言う感じだそうです。
と言う事で予算の関係でこちらのライトをまず1ヶ買ってみました。(リンク)
データによると15cm以下まで近づけると400を超えそうです。

1-2.肥料
次に肥料です。畑ではハイポネックスをよく使っていましたが、調べてみるとハイポネックスには植物に必要な栄養素の中で多量に必要なものしか入っておらず、その他は土に含まれるものを使う前提の肥料だそうです。ですので水耕栽培には不適であり、水耕栽培用の肥料を使う必要があるとの事。ここで失敗に導く可能性の高いパラメータは極力減らした方が良いと言う判断で、高いけど最も一般的なハイポニカを選択しました。この辺り長年技術開発を行ってきた技術者としての性がちらりと出ます(笑)
1-3.その他
容器は手元にあったプラスティック容器を使い、スポンジシートも工作で使用したものを使いました。(写真は種まきの章参照)
2.種まき~苗状態
11/20日、
いよいよ種まきです。下写真のようにスポンジにカッターナイフで切り込みを入れ、そこに数個の種を入れました。これを4ヶ所作り4ヶのレタス水耕栽培開始です。このままでは乾燥する可能性があるのでこの上にキッチンペーパーを湿らせて乗せました。最初は種に含有する栄養素で発芽するのでまだ肥料もLEDの光も与えず、水だけです。


11/26日、
下左写真のように芽が出てきました。そこで肥料の投入とLEDの点灯を開始しました。点灯時間は毎日12時間です。(写真ではLEDの位置は高いですが、これは写真を撮るために高くしています)


12/1日、
少し芽が大きくなってきました。

12/5~12/15日
左が12/5、撮影後間引きして2日後の写真が右側です。その後どんどん大きくなってきました。
このころは日に日に伸びていくのが分かり毎日見るのが楽しみです。




12/15日、
根の状態です。苗から想像してた量よりもずっと多くの根が付いていました。

12/18~22日
種まき後約一ケ月ですがこれだけ成長しました。これは期待できるかも。。


3.プランター交換
12/22日
このままではプランターが小さすぎ、成長を妨げると思ったのでプランターを一回り大きなものに交換しました。


下の写真は植えかえる時の根の状態と最終セッティングの姿です。


12/24~1/6日
ところがです。次の写真のように2週間でこのプランターも手狭になってしまいました。12/28日で既に手狭と言うご意見もあるでしょうが、年末年始は手が付けられなかったと言う言い訳です。



4.チップバーン対策
ここまで順調に育ってきたように見えますが、よく見ると葉の先端が枯れている状態(チップバーン)が散見されるようになりました。ネットを見ると水耕栽培でこのチップバーンに悩まされている方は多くいらっしゃるようで、色々な人が様々な要因と対策をしたと書いているページが見つかります。でも人によって違う対策が書かれており、時には逆の事も書いてありました。そこで自分なり書いてある事をまとめると次のようになりました。
チップバーンの原因はカルシウムが葉の先端に届かないことで発生する
葉にカルシウムが届かない原因として
①高温多湿
②無風状態
③肥料が濃すぎる
④日照不足
⑤根の状態が悪く栄養が吸えない
⑥急激な温湿度変化(気孔が閉じる)
⑦水中の酸素不足
これを読んで自分なりに次のような仮説を立てました。
すなわち、カルシウムが届かないことでチップバーンが発生することは正しい。
カルシウムは水と共に葉まで移動するはずなので、葉から水蒸気を沢山蒸発するようにすればカルシウムの溶けた水は葉の隅々まで行きわたりチップバーンは発生にくくなる。
こう考えると上の①②④⑤は説明が付きます。③については薄いとカルシウムが届きにくくなる気がするが知らない原因があるのか?⑥は畑のトンネル栽培で極端な変化をさせたにもかかわらずチップバーンは発生しておらず、通常の生育条件では無視していいと判断。⑦はよくわからないが、毎週水を変えることで避けられるのではないか。
このように考えた上で、具体的な対策として葉から水を蒸発させるために、
A)縁の低いプランターへの植え替え
B)葉の密度を下げる(かぶの間隔を広げる)
C)風を当てる
追加、半信半疑で
D)肥料濃度を1/2にする
を実施することにしました。
1/6日
まずプランターの交換を行いました。プランターと言っても家で余っていた丼鉢等です(笑)。この時から肥料濃度は標準の1/2にしました。
でも、植え替えたはいいですが間隔が広くなってLEDライトが当たらない!
そこで急遽追加で1ヶ発注しました。風はどうするか思案中。


1/9日
LEDを追加し下写真のような感じでセットしました(写真を取り忘れたのでこの写真はだいぶ後のものです)。

5.チップバーン実験
1/20日
丼鉢に変えた後さほど時間は経っていませんが、目立ったチップバーンの改善は見られていません。
調査と納期がかかりようやくファン(リンク)を入手。セットしました。


1/21日
ファンを取り付けたばかりですが、チップバーンに対するファンの効果を待っているとファン以外に原因があった時に困るので、4つの鉢の育成条件を下の表のように変えてテストを行うことにしました。
つまり肥料濃度を標準(100%)もしくは1/2(50%)にする、LEDの光量を全量当てるか半分にするかです。LEDの当て方に関しては下の写真のように右側の丼鉢はLEDのライトが半分しか当たりません。この時丼鉢は時折回転しました。
| 光量100% | 光量50% | |
| 肥料100% | 肥100-L100 | 肥100-L50 |
| 肥料50% | 肥50-L100 | 肥50-L50 |

2/19日
上の条件で週に2回(水の減りが早かったので2回になりました)肥料を交換しながら一ケ月間生育しました。この時の前後の写真を次に載せます。写真をクリックすると拡大されますのでチェックしてみて下さい。








とは言うものの写真では判定が難しいと思いますので、この約1ヵ月間の生育度とチップバーンの状態を実物を見て判定した結果を下表に示します。ここでチップバーンに関して、新たに出た葉を対象にチップバーンが改善されたものを「〇」、変わらなかったものを「△」、悪化したものを「×」としました。テスト開示時に既にチップバーンが発生していたので判定は「エイヤー」と決めましたが、どれもテスト開始前よりも改善したように見えます。
| 光量100% | 光量50% | |
| 肥料100% | ◎/〇 | 〇/〇 |
| 肥料50% | 〇/〇 | △/△ |
この結果から以下の事が分かります。
- 肥料濃度と生育度には正の相関関係がある
- 光量と生育度には正の相関関係がある
- 風を当てるとチップバーンは改善するようだ
- 肥料濃度を下げてもチップバーンは改善しない(逆に悪化するかも)
- 光量が少ないとチップバーンが出やすくなる可能性がある
これらの事からチップバーンに対する仮説「葉から水蒸気を沢山蒸発するようにすればカルシウムの溶けた水は葉の隅々まで行きわたりチップバーンは発生にくくなる」は間違ってはなさそうです。
この仮説が正しければ、温度を上げると蒸発しやすくなるのでチップバーンは発生しにくくなると考えられます。これまで畑で春先から初夏にかけてレタスを育てた際、チップバーンが全く出なかったのは温度が高かったからかもしれません。このことを確認するために春に水耕栽培にて同じような実験をしてみたいと思います。
6.収穫に向けて
2/22日
肥料濃度100%-光量100%の苗は、若干小さいながらチップバーンも無くちゃんと玉レタスになってきました。
玉レタスの水耕栽培大成功です!

おまけに成長度とチップバーン対策に対するパラメータが分かってきました。
最終的には収穫後に食して判断したいと思います(笑)のでこの条件でもう少し続けると共に、時期を変えて再度栽培してみたいと思います。